》音の窓から vol.2

Doticon_grn_Music.gif トウヤマタケオ


トウヤマタケオ / 三月のワルツ  (新品CD) ¥2592

61lxX+-LJZL._SL500_AA300_.jpg01. 扉 
02. 19本の薔薇
03. 欧州ワルツ
04. トビアスのこと
05. ラチは弱虫 
06. 気取り屋と野暮天 
07. ナンバー2
08. コヌウォールの賢人
09. 五音階の屈折率
10. ねじ巻き
11. 哀歌
12. ヒマラヤ杉のある庭
13. 三月のワルツ 

 ドイツKARAOKE KALK からのリリースやエゴ ラッピン、mama! milk、高木正勝、SAKEROCKなど編曲家/ピアニストとしても活躍のトウヤマタケオによるピアノソロ集。くぐもったピアノの音像、無邪気な指先の躍動や美しいハーモニーはサティ、ドビュッシー〜ゴンザレスのピアノ作と共振しながも、彼独特のユーモアと放課後の音楽室から聞こえてくるような懐かしさを感じさせる作品。


『音の窓から』vol.2

ウヤマタケオ Interview

「鍵盤の間に発見の喜びが踊るホームメイドなピアノソロ集」

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オトノマド不定期企画「音の窓から」第2回目は全編ピアノソロによる新作「三月のワルツ」をリリースしたトウヤマタケオさんをお招きしあれやこれやと聞きました。


オトノマド店主 (以下 オ)
トウヤマタケオ (以下 ト)

「トウヤマさん、どうもどうも。何飲みます?」
「えー、アールグレイを」

「新作はドイツで録ったんですよね?どういった経過で?」
「それは殆どハウシュカにっていう」
「ハウシュカに録ってもらおうと?」
「うん、元々はピアノソロを作りたくて、今回は最悪自分録音でもいいかなって。
  何て言うか、英語の方が上手く言えるかな『intimate』、親密なっていうか自家
  製アルバムみたいな感じでやりたくって」
「がっちり録りましたって感じではなくて」
「そうそう。家で録ってもいいかな、くらいの感覚。もしくは良い場所があれば、
  例えば誰かの家の別荘とかね。ホールとかグランドピアノじゃなくて、もちろん
  アップライトで録りたかったし。そういうのをずっと探してたんだけどヒットす
  る場所がなくて。僕自身もピアノを買い替えたりしたんで、これで録ってもいい
  かなって思ってたけど、ハウシュカ来た時話してたら、そういえば!旅行がてら
  ってのもありやなと(笑)ほぼそれです」

「そもそも、ハウシュカとの出会いは?」
「ハウシュカとは2005年の冬に一緒のキャラバンでドイツのKaraoke-Kalkレーベ
  ル主催のヨーロッパツアーをしたのがきっかけで。その後、昨年(2009年)の来日
  時に再会してこの録音の話を持ちかけたんです。その時点ではまだ windbellから
  出すって話にはなっていなかったんですけど」

「録音はどういった場所で?」
「いや、もうハウシュカの自宅、デュッセルドルフの。ハウシュカは全部自宅で
  作ってるって言ってたから、向こう行ったら天上高くて響きのいいような所で
  って... これはいいぞ!って行ったら結構普通の部屋だった(笑)」

「そこに何日か滞在しながら?」
「うん、4、5日かな。録りは3日間」
「エンジニアもハウシュカが?」
「うん、彼は自分のやつも録ってるから、それと同じように録ってくれって。
  マイキングはハウシュカに任せて」

「ピアノソロを出そうってのは?」
「それは本当にずっと昔から考えていて。僕は元々音を重ねてって作るMTRから
  入ってるから。でトリオとか楽団とかも、あれは全部重ねてって作るっていうの
  をいっぺんでする為に人数を増やすっていう考え方やったんですよね。それがど
  んどん大きくなって楽団までなって。それはそれで凄い面白いねんけど、ずっと
  1人だけで完結するものを凄く作りたくて。それが死ぬまでに出来たらいいかな
  (笑)ってぐらいの感じやったんやけど... 何かちょっと楽団で重ねる事はやり尽
  くしたって言うか、自分の中ではもう新しい事は無いかなって。でソロやってみ
  ようと」
「じゃあタイミング的に丁度っていう」
「うーん、でもピアノ探しから始めたら2年位経ってるから、結構やっとっていう
  感じもある」

「曲は今回の為に書き下ろしたんですか?」
「うん、まあ楽団やったりしながらもソロのライヴもあったりするんで、ちょっと
  ずつ増えてったものもあるし、今回ソロって事で狙いをつけて作ったのもあるか
  な」
「それはピアノソロって事を念頭に入れて作った?」
「もちろん。でも僕セルフカヴァーを今までもやってて、アレンジ変えてくの好き
  なんですよ。で今回『ねじ巻き』ってやつかな、楽団の『GREEN』に入っている
  曲をピアノソロ用にリアレンジして」

「やっぱり作曲する時は楽団やトリオの時とは違うんですか?」
「うーん」
「楽団の時は楽器とか想定して?」
「うん、そうなんですよ。やっぱり僕、重ねて作る方が楽なんですよ。最初なんか
  アイデアがあるでしょ、それをばーっと録音して、これに何の音が欲しいかなー
  って、ベースが欲しければベースつけたり。足してくのって楽しいじゃないです
  か、どんどん、どんどん変わってくし」
「うんうん」
「やっぱ、ソロってねー。音が変わらないでしょ。やっときながら言うのはあれや
  けど... 自分で魅力がないなーって思う時も結構あって」

「そういう中で自分にとって新鮮に響かせるってのは難しいですよね?」
「うーん、そうなんですよ」
「それは曲の中で見つけていくんですか?この後こういう風に展開してとか...」
「うん、僕の曲ってまさにそういう風に作ってて。凄い乱暴な分け方すると僕の中
  で2つの音楽の聴き方があって、僕みたいに次に何が鳴ったら面白いとか、
  『おー、こう来たかー』とかそういう楽しみ方をする音楽と、聴いてるだけでい
  いっていう音楽もあるような気がする。浸る事が喜びみたいな。僕はその聴いて
  るだけって方に対して自分で作るってなると怯えがあって...これでは聴いてくれな
  いんじゃないかっていう(笑)なんやろ?何ていうんですかね...」

「うーん、常に発見して行くっていう...」
「転がって行くものが好きなんですよ、展開して行くというか」

「トウヤマさんがピアノを始めたのは?」
「まあ、ご多分に漏れず、小学校1年の時に親に連れられて行って。自分の意思は
  まったく無かったと思うな。でその当時の流行やったんやと思うんねんけど何故
  か親がピアノを買って」
「それからずーっと?」
「すぐ辞めた」
「馴染めなかった?」
「なんやろね。根性がなかったのと、あと小学校4年になる時に家が引っ越して」
「じゃあそこからは習うとかじゃなくて?」
「うん、でもずっと弾いてたね。」
「習ってた時はクラシックですよね、バイエルとか。その後はどんなのを?」
「最初はやっぱり歌謡曲。何弾いてたかなー?で5年生から合唱団に入って、結局
  音楽好きやないかって(笑)結構それが楽しくて。しょうもない曲もあるけど面
  白い曲もあって、そういうのを家でピアノで弾いて歌ったり」

「楽器はずーっとピアノを?」
「うん、手っ取り早かったんやろうね。で兄貴がギター買ってその頃のニュー
  ミュージックとかのコード覚えて弾きだすと何故か俺がピアノを弾かされるって
  いう。それでコード覚えたんですよ。それまで楽譜だったのが『コード楽勝!
  (笑)』って」
「へぇー」
「だって音3つくらい覚えたらそれで歌えるっていう」
「それは喜びっていうか、大きなことですよね?」
「凄い大きい。ピアノが今まで大きなものだったけれど、伴奏になってくれた」
「より身近になった」

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「ピアノ以外に例えばギターをやろうとかは?」
「コードを覚えてしまったからギターをやる必要がないって自分の中でなんとなく
  思ってたんだと思う。もちろんギターも好きだけどピアノでぱっとやった方が早
  いなと。でも楽団作った時にどうしてもギターやりたくて弾いたりした」

「ギターで曲を作ったりすることも?」
「うん、楽団の曲は作ったりしたかな」
「そうするとまた全然違う感じに?」
「全然違うよね。慣れてないせいもあるから適当に指置いてみたら、おーこれ何か
  おもろいみたいな。あと最初ピアノで作ったけどこれをギターでやりたいって時
  に音探しながらやってると、上手くないから出来るだけ開放弦を使いたいと、そ
  うするとちょっと変なテンションの音が入る事によって、これはいいなーって。
  それを探すのが凄い面白い」
「そういうのはピアノだと...」
「見えるからね。ここに入れたらこの音がとか予想がつくから。それが良いともい
  えるし、ちょっと面白くないとも。ギターはホント、音遊びしてたら時間が経つ
  の忘れるね」

「僕は弾き方も分からない楽器で適当に遊んでるうちに何か音楽っぽくなった時の
  喜びみたいなのが好きで、でも楽器が上達してくるとそういった所からだんだん
  離れて行ってしまうじゃないですか?」
「そうそう、それでみんな新しい楽器とか機材買ってモチベーションを落とさない
  ようにって」
「でもトウヤマさんの新作にはそういう喜びみたいな感覚があるなって」
「それは嬉しいな。正にそれが無かったら俺は自分が音楽やる意味がないていう
  か、新鮮というか発見している過程みたいな感じが一番面白いと思うから」

「町中を歩いていたらふと聞こえてきたピアノみたいな、いつも同じ所で間違えて
  たりとか... 何だかそんな感じがするんですよね(笑)」
「それ、どういう感じ?(笑)」
「うーん、何ていうのかな(笑)上手く言えないけど懐かしいっていうか何処かで
  聴いたような。さりげなくて聞き終わった後にあれどんなメロディたっけ?って
  思うような... 何かそういうのが自分の中に凄くしっくりきて良いなーって」

「曲の長さとかも丁度いいなって。今の曲って長いじゃないですか?」
「まあ、いうてもポピュラーミュージック上がりなんで自然にそれくらいになるっ
  ていう。自分が聞くにしてもちょうどいい集中力っていうか。何かない?大体自
  分の作る曲の長さって?」
「そうですねー。でも1人で重ねていく作業ってのをすると終わりが無い事が...」
「うんうん。当たり前のことやけど、ピアノソロで一発録りなんでフェードアウ
  トってありえないでしょ?何か終らしたいっていう、一個一個が閉じてるってい
  うかそういうのを今回作りたかった。終わりがアバウトになってるとかじゃなく
  て、ちゃんと落とし所をしっかりってのは意識したかな」

「録音のくぐもった感じも意識して?」
「うーん、それは*林さんのミックスかも」
「部屋の鳴りではなくて?」
「いや、それもあるけど、ハウシュカの録り方は凄くオンなんですよ。バウンダ
  リーマイク使ったり、それにエアーも録ったりとか結構いっぱいマイク立てて。
  でハウシュカに作ってもらったラフミックスは全然違う音」
「へぇー」
「それは本当、ハウシュカの音。で、これいいなーって思って林さんのとこ持って
  行ったら、いろいろ試行錯誤して最終的にちょいオフで録ったLRとエアーで録っ
  たのをちょっとだけ混ぜるって感じになった。林さんの音ってぱっと聞き、くぐ
  もっって聞こえるというか。でも今まで良かったなーって思ったものはずっと聴
  けるんですよ、疲れないっていうか。例えばMP3とかに落としてもその質感を保
  ってくれるっていう。そこは林さんにほぼおまかせって感じで」

*「林さん」...... 林皇志(silence audio recording): 大阪の録音エンジニア。少年ナイフ、ボアダムズ、竹村ノブカズを始めとする関西出身の錚々たる音楽家の録音を手がけている。http://sound.jp/silence/


「長く聴けるっていうのはトウヤマさんの作品全般にいえますよね?繰り返し聴け
  るっていう」
「うん、せっかくお金出して買ってもらったもんなんで(笑)たまーに思い出して
  聞いてもらったらまた発見があったら面白いかなー。そういうのわりと好きなん
  で」
「そういう事も作る時に念頭に置いて? 仕掛けじゃないけど」
「うん、多分染み付いているじゃないかな」

「トウヤマさんの作品には何か外しとかユーモアを感じるんです。『そこ行く
  かー』みたいな(笑)」
「好きなんですよねーそういうのが(笑)僕の今の音楽はコードから入っているん
  で基本的にロックミュージックなんですよ。コードってある程度限定しちゃうで
  しょ世界感を。でその限定された世界感を崩す物が欲しいんですよ、傷を入れる
  みたいに。そうすると元の物も影響されて不思議な響きに聞こえる、みたいなの
  が凄い好きで」

「そういう意味ではピアノは崩すのが難しい楽器ですよね?コードをバンって弾い
  たら世界ができちゃて」
「そうそう」
「何でも出来るけど逆に不自由っていうか...」
「うん、多分勇気がいるんだよね、その壊す事に」
「うんうん」
「でも僕はそれが凄い面白くて、『これないやろ』ってのが逆にね。だから自分の
  耳が最初慣れない時もあって『ちょっとこれは...』って思うけど暫く同じような和
  音を弾いてるんですよ、その変な和音を。そうするとちょっと心地良くなって来
  たりする、そうなったらこれ使えるって。自分ではもう慣れちゃってるけど確か
  に一聴して『えっ?』って思うものはいっぱいあると思う(笑)」

「それでもポピュラーミュージックとして成り立っているっていう」
「最終的には僕ビートルズやと思うんですよ、憧れは。ビートルズって変じゃな
  い?」
「変ですね」
「変態(笑)おかしいよね。『でも何このポップさ?』みたいな(笑)」
「うん、うん」
「音のバランスとかもおかしいでしょ?太鼓の音も曲によって全然違うし。現場凄
  い楽しかったと思う。録音技術の進歩とばっちり合ったってのもあるやろし、楽
  しかったと思うなーあれは。やっぱ伝わるんですよね、正に発見してる感じが」

「それを録音物の中に落とし込むっていうのが凄い。今は宅録でもできるけど昔は
  スタジオに入って録るしかなかったし」
「またそんなやり方好きなんですよねー。オーケストラの面白さって何十人、時に
  は100人位の人が一個の音楽する為に集まってるでしょ(笑)あんなバカバカし
  いことないじゃないですか?1人でやるのも楽しいけど集まって何の約にたたな
  いことやってる感じが凄いな(笑)って。だからバンド好きなんですよね」

「最近リスナーとしてよく聴いてるものは?」
「えー、最近はバッハ以前の鍵盤曲に凄い興味があって、今回ピアノソロ作るって
  のもあったんですけど。その周辺の特にフランスの音楽が好きでクープランとか
  ラモーって人を聴いてるかな」

「新作にはフランス的な雰囲気がありますね」
「まあ、否定はしないですけど...」
「そういうヨーロッパ的なテイストと、ラグタイムとかのアメリカっぽい感じも」
「うん。元々好きなんですよ、アメリカのルーツミュージックって」
「その混ざり具合の案配がいいなーって」

「次はどんな感じに?」
「次は歌ものやりたいんですよ」
「へぇー、それもまた楽しみ。ピアノソロをまたやろうってのは?」
「うーん。やっぱりねー、凄い消耗する(笑)」

「(笑)今日は本当にありがとうございました。今度店にも遊びに来て下さいね」


(2010年 9月13日)
PHOTO 齋藤雅子

 ■ トウヤマさんの選ぶピアノな3枚

yamano_4106110756.jpegクララ・ハスキル
ロベルト シューマン:子供の情景/森の情景/アベッグ変奏曲/色とりどりの作品から

「1955年録音の「子供の情景」が特におすすめ。クララ・ハスキルの声を荒げないまっすぐな演奏といい、曲の完成度といい、部屋の残響具合といい、ど真ん中です」

mal_waldron_quest-OJC-082(NJ-8269)-1262850431.jpegMal Waldron「The Quest」

「ピアノというより、ピアニストが作曲したアルバムとしてジャズというカテゴリーを越える作品としてむちゃ愛聴してました。誰かに貸したかな?」

images.jpegRy Cooder「Boomer's Story」

「ピアノ関連という大きいお題をいただいたのでお言葉に甘えてこれです。セッションピアニストという人が好きで、ビートルズにおけるビリー・プレストンやストーンズにおけるニッキー・ホプキンスのような人。「パリ・テキサス」のサントラ(もちろんライ・クーダー音楽)でもキーボードを弾いていたジム・ディキンソンの控えめなプレイがたまりません。このアルバムでは特に5: Maria Elena での2コーラス目のアウフタクトから不意に入ってくる押さえの効いたプレイは何十年聴いても鳥肌立ちます。」

 ■ オトノマド店主の3枚

f0158009_7283639.jpg湯山昭 ピアノ曲集 「お菓子の世界」 井内澄子(ピアノ)

「『三月のワルツ』を聴いて最初に思い浮かんだ作品。作曲家湯山昭氏による子供の為のピアノ曲集。『シュークリーム』『甘納豆』などタイトルも楽しいピアノ小曲集」

51fPOpRHO4L._SL500_AA300_.jpgTHELONIOUS MONK「THELONIOUS HIMSELF」

「モンクのピアノソロ。ロバートワイアットもカヴァーした屈指の名曲『ラウンド ミッドナイト』の『壊れ』っぷりとトレードマークの山高帽姿にトウヤマさんの影を見る」

21238046.jpgZNR「BARRICADE 3」

「エリック サティの神秘主義、変態性を見事に継承したフランスのアヴァン室内楽ユニット1st。ジャケ内のイラストはキャプテン ビーフハート! 2ndも必聴です」

takeotoyama5.JPG■ トウヤマタケオ

音楽家。反ヴィルトゥオーソ的な室内楽作品を多く創作。現在までに5枚のオリジナルCDアルバムとDVDを1枚リリース。そのうち「hello 88」「etudes」の2タイトルはドイツの老舗エレクトロニカレーベル、Karaoke-Kalk より再リリースされている。ライブ形態はピアノソロからフルート、マリンバなどを加えたカルテット、そして最大11人編成によるトウヤマタケオ楽団とさまざま。またピアノ奏者としての客演やアレンジャーとしても活動。主な録音・ライブ参加アーティストは、EGO-RAPPIN'、中納良恵、高木正勝、SAKEROCK、mama!milk等。2009年には画家nakabanのアートアニメーション「der meteor」(noble)の音楽全編を担当。油彩画の温かさと相まった珠玉の楽曲は各方面から高い評価を得る。

HP : www.takeotoyama.info
myspace : http://www.myspace.com/takeotoyama

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